Excel で、入力した日付をもとに曜日まで表示させたいと思ったことはありませんか。
また時間の計算をしたときに、24時間を超える時間が正しく表示されずに困った経験はありませんか。
これらの問題は、ユーザー定義の表示形式を使うことで解決します。
今回は、勤怠表を作成しながら、曜日や24時間を超える時間を表示させる方法を解説します。
目次
表示形式とは、セルに入力されたデータの「見た目」だけを変える機能です。
基本の表示形式は、[ホーム] タブの [数値] グループにある [数値の書式] で行います。
「標準」の表示形式では入力したまま表示されますが、例えば「通貨」の表示形式では、「1234」を「¥1,234」のように表示できます。これは見た目が変更されているだけであり、セルに入力された元の値は変わりません。
あらかじめ表示形式を設定しておくことで、数値を入力するだけで指定した形式で自動的に表示されます。
詳しくは、【Excel】表示形式とは?金額、パーセント、日付を簡単に表示 | メディアックパソコンスクール をご覧ください。
表示形式が希望通りにならない場合は、「ユーザー定義の表示形式」でカスタマイズします。
たとえば、日付に曜日を追加したり、数値の後ろに「円」や「個」などの単位を付けたりなど、見た目を整えるだけでなく、入力ミスの防止や視認性の向上にも役立ちます。
ユーザー定義の表示形式は、[ホーム] タブの [数値] グループにある [表示形式] で表示される、[セルの書式設定] ダイアログボックスで定義します。
[表示形式] タブの [分類] にある [ユーザー定義] を選ぶと、右側に [種類] という入力欄が表示されます。ここに表示形式を直接入力するか、下の一覧から選択します。
上部の [サンプル] 欄では、定義後の表示結果を確認できます。
ユーザー定義で使用する主な記号には役割があります。代表的な記号と意味は、以下のとおりです。
「#」:数値の桁数を指定する。指定した桁数のみを表示し、不要なゼロは表示しない
例:「##」と定義 → 入力値「08」は「8」と表示
「0」:数値の桁数を指定する。指定した桁数に満たない場合、足りない桁を「0」で埋めて表示
例:「00」と定義 → 入力値「8」は「08」と表示
「?」:数値の桁数を指定する。指定した桁数に満たない場合、足りない桁を「空白」で揃えて表示
例:「???」と定義 → 入力値「78」は「␣78」と表示
「,」:桁区切り
例:「#,##0」と定義 → 入力値「1000」は「1,000」と表示
「.」:小数点
例:「0.00」と定義 → 入力値「9.876」は「9.88」と表示 「@」:セル内の文字列を表示。文字列はダブルクォーテーション「”」で囲んで表示。
例:「”職業:”@」と定義 → 入力値「学生」は「職業:学生」と表示
ユーザー定義で、数値の後ろに「年」や「月」を追加できます。
「0“月”」と定義すると、数値の後ろに「月」が表示されます。これは、「数値を最低1桁で表示し、後ろに月を付ける」という意味になります。
たとえば、入力値「12」は「12月」と表示されます。
また、「00“月”」と定義すると、「数値を最低2桁で表示し、後ろに月を付ける」という意味になります。
たとえば、入力値「8」は「08月」と表示され、入力値「12」は「12月」と表示されます。
このように、「0」や「00」は桁数の指定を表し、ダブルクォーテーション「”」で囲んだ文字列がそのまま表示されます。
ユーザー設定で、日付をカスタマイズできます。
日付で使用する主な記号にはそれぞれ役割があります。代表的な記号と意味は、以下のとおりです。
※入力値は「2025/9/30」とする
「y」:西暦の年。4桁「yyyy」または2桁「yy」
例:「yyyy」と定義 →「2025」と表示
「yy」と定義 →「25」と表示
「e」:和暦の年。
例:「e」→「7」
「ggg」:元号。省略は「gg」、「g」
例:「ggg」→「令和」
「gg」→「令」
「g」→「R」
「g」と「e」を組み合わせることもできます。
例:「ge」→「R7」、「gge」→「令7」、「ggge」→「令和7」、「ggge”年”」→「令和7年」
「m」:月。常に2桁「mm」または1桁「m」
例:「mm」と定義 →「09」と表示
「m」と定義 →「9」と表示
「d」:日。常に1桁「d」
例:「d」と定義 →「30」と表示 「aaaa」:曜日。略称は「aaa」
例:「aaaa」→「火曜日」、「aaa」→ 「火」
Excel において、時間は基本的に24時間制で扱われます。セルに「25:00」と入力すると、「1日と1時間」と解釈して「1:00」と表示されます。
ユーザー定義で使用する主な記号には役割があります。代表的な記号と意味は、以下のとおりです。
「h」:時(0~23)。(1桁または2桁)
例:「h」と定義 →入力値「9:00」は「9」と表示
「hh」と定義 →入力値「9:00」は「09」と表示
「m」:分(0~59)。(1桁または2桁)
時間や秒と組み合わせて使う必要がある。単独や時間と関係のない位置で使うと「月」として認識される。
例:「h:mm」と定義 →入力値「9:5」は「9:05」と表示
「h:m」と定義 →入力値「9:5」は「9:5」と表示
「s」:秒。「s」または「ss」(0~59)
例:「h:mm:ss」と定義 →入力値「9:5:7」は「9:05:07」と表示
「hh:mm」と定義 →入力値「9:5」は「09:05」と表示
「AM/PM」:午前・午後を表示(12時間制)
例「AM/PM hh:mm」と定義→「AM 09:05」と表示
「[$-ja-JP]」:日本語ロケール指定
例「[$-ja-JP]h”時”mm”分”」と定義→「9時05分」と表示
24時間を超える時間は「[h]」を定義すると表示されます。
「[h]」:時(24を超える時間)
例「[h]:mm」と定義→「27:00」と表示
「[m]」:分(60を超える分)
例「[m]」と定義→「80」と表示 「[s]」:秒(60超える秒)
例「[s]」と定義→「110」と表示
ユーザー設定で、セルに入力された文字の前後に指定した文字列を付加して表示します。
前述にあるように、セル内の文字列は「@」で表し、表示する文字列はダブルクォーテーション「”」で囲みます。 「@」:セル内の文字列を表示。文字列はダブルクォーテーション「”」で囲んで表示。
例:「”職業:”@」と定義 → 入力値「学生」は「職業:学生」と表示
では、ユーザー定義の表示形式を活用して以下のような勤怠管理表を作成してみましょう。
始業時間、終業時間、休憩時間を入力したら、勤怠表の勤務時間と週合計を求めます。
勤務時間は「終業時刻 – 始業時刻 – 休憩時間」で求めます。
セル【E4】には「=C4-B4-D4」と入力します。セル【E10】までオートフィルで計算式をコピーします。
週合計はSUM関数を使用して求めます。
セル【E11】には「=SUM(E4:E10)」と入力します。
計算結果は以下のようになります。
※この段階では週合計が正しく表示されていません。
「2025」を「2025年」、「6」を「6月」の表示にします。
「2025年」と表示されました。
「6月」と表示されました。
「6月1日」を「1(日)」ち表示させます。
セル【A4】は「1(日)」と表示されました。
週合計を正しく表示させます。
「31:30」と表示されました。
「佐藤 花子」を「氏名:佐藤 花子」と表示します。
「氏名:佐藤 花子」と表示されました。
勤怠表の完成です。